
外出先での作業が多いビジネスパーソンにとって、持ち運びやすく使いやすいパソコンは必需品です。今回レビューするHP EliteBook 630 G11は、軽量でかつ米軍規格(MIL-STD 810H)準拠の耐久テストをクリアするなど耐久性に優れており、外出する時など移動の際には安心感があります。
またNPUを搭載したCore Ultraプロセッサー採用でパワフル、AI機能への対応や省電力にも期待でき、WEB会議にも効果的で、どこでも快適に作業できる環境を提供してくれます。
さらにセキュリティ面でも充実。前回レビューしたHP EliteBook 635 Aero G11では、法人向けPCであるものの、HP独自セキュリティ機能がなく軽量特化であったことに比べ、HP EliteBook 630 G11は、軽量でありながらHP独自セキュリティが標準搭載されており、セキュリティを重視する人や企業にとって安心できる製品になっています。
【PR】【貸出機材提供:日本HP】
HP EliteBook 630 G11 スペック
OS | Windows 11 Home / Windows 11 Pro(64bit) |
プロセッサー | Core™ Ultra 5 125U Core™ Ultra 5 135U (インテル vPro® Enterprise) Core™ Ultra 7 155U |
メモリ | 8GB(8GB×1) / 16GB(16GB×1) / 16GB(8GB×2) / 32GB(16GB×2) SO-DIMM DDR5-5600、最大64GB(2スロット) |
ストレージ | 256GB / 512 GB / 1TB / 2TB |
ディスプレイ | 13.3インチワイド(16:10)WUXGA 液晶(1920×1200) ・非光沢・最大輝度400cd/m2 |
グラフィックス | インテル® グラフィックス (CPU内蔵) |
インターフェイス | 【左側】 HDMI 2.1 SuperSpeed USB Type-A 5Gbps signaling rate(チャージング) Thunderbolt™ 4(USB4 Type-C®40Gbps signaling rate、 USB Power Delivery、DisplayPort™ 1.4)×2 コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック 【右側】 ナノセキュリティロック ケーブル用スロット(約2.5 x 6mm) LANポート SuperSpeed USB Type-A 5Gbps signaling rate Nano SIM カードリーダー(対象モデルのみ) |
キーボード | 日本語キーボード、防滴機能付き |
Webカメラ | HPプライバシーカメラ(5MP、開閉式スライドカバー)、 IRカメラ(Windows Hello対応) |
セキュリティ | ・指紋認証リーダー ・HP WOLF SECURITY (なし / HP Wolf Pro Security Edition 1年版 / 3年版 / 4年版 / 5年版) ・HP Wolf Security for Business (HP Sure Sense、HP Sure Start 、HP Sure Run、HP Sure Recover、HP Sure Click 、HP Sure Admin、HP BIOSphere、HP Secure Erase(NIST準拠)) 、HP Tamper Lock、Enhanced Sign-in Security (ESS) 有効) |
無線機能 | Wi-Fi 6E AX211 a/b/g/n/ac/ax(アンテナ数:送信2、受信2)(Wi-Fi準拠) + Bluetooth5.3 |
サイズ・質量 | 303.1 x 215.1 x 19.9mm (最厚部、突起部含まず、前部10.9・後部17.0 mm) 約1.29kg~ |
バッテリー駆動時間 | MobileMark® 25:最大約13 時間10分、 JEITA測定法Ver3.0 : 約9.1時間(動画再生時)/約21.8時間(アイドル時) |
電源アダプター | なし / 専用ACアダプター付属(USB-C接続・最大65Wの給電) ※HP ファストチャージ対応 ※USB-C接続のため市販ACアダプター使用可能(記事参照) |
その他 |
HP EliteBook 630 G11の外観
天板

天板には中央にHPのプレミアムロゴ。表面はサラサラ、金属のヒンヤリした感じが心地いいです。天板、パームレスト、底面にそれぞれリサイクルアルミニウムを使用しており、環境にも配慮されています。指紋は目立ちません。
背面

背面には「ELITEBOOK」の文字があり、すっきりした印象。
底面

底面には手前左右にスピーカー、前後に左右に長いゴム足があり、その間の奥側に無数に空いた通気口があります。スペック表からメモリーはオンボードではなく、スロットが2つあることはわかりますが、メモリー交換用の開口部はありません。底面カバー全体を外して交換するタイプのようです。
初心者の方は避けた方がいいかも知れませんが、メモリーが交換・増設できるのはとても嬉しいポイント。将来Windows11のアップデートが進んで、快適に使用するために32GB以上のメモリー容量が必要になった際には、ユーザー自身でメモリーを増設・交換ができると寿命が延びるし、単純にパワーアップになり得ます。
環境に配慮した素材を利用
またカバー・ベゼル・キーキャップ・梱包材にそれぞれ、リサイクルアルミニウム・使用済み再生プラスチック・サステナブル・リサイクル素材を利用しており、環境にも配慮したつくりになっています。
ディスプレイとキーボードの間に排気口

ディスプレイとキーボードの間に排気口があります。位置的にPCの使用中は見えません。
キーボード面

電源ボタンが右上角にあること以外は、基本的に素直なレイアウトの日本語キーボード。キーが並んでいるエリアの左下には「ELITEBOOK」の文字、中央下部には広めのタッチパッド、右下には「poly studio」の文字と指紋認証センサーが配置されています。
キーのエッジは丸みがあり優しい印象。先日レビューしたHP EliteBook 635 Aero G11は、キーのエッジがシャープだったので対照的です。公式サイトには「ラバードームキーにより、安定した静かなタイピングを実現」とあります。確かに音は少し控えめな印象でした。
キーピッチは、一般的に入力しやすいとされる19mm。キーを押した時に、適度な反発があり入力しやすいです。残念ながらバックライトはありませんが、暗い中で操作しなければならないような環境でもなければ問題はないでしょう。
キーボード左側

キーボードの左側は、半角/全角キーやTABキーが小さいくらいで、他は標準的な印象。
FN LOCK(マルチメディアキー・ファンクションキーの入替え)はFN+SHIFT

「ELITEBOOK」の文字の上、 CTRL、FN、Windows・・とキーの並びは標準的。その上のSHIFTキーには右側に小さく「FN LOCK」とありますが、これはキーエリア上部のマルチメディアキーとファンクションキーを入れ替えて固定するためのもの。FN + SHIFTキーで切り替え・固定ができます。
FN LOCKというと、ESCキーに割り当てられているPCもありますが、SHIFTキーの方がFNキーに近く押しやすいです。
キーボード右側

キーボード右側は、ENTERキーなどが一番端で、その右側にはキーはありません。ユーザーからの声がようやく聞き入れられたようで、最近発売の機種には不評だった1列がなくなりました。

なくなった一列に割り振られていたHOME・END・PG UP・PG DNキーは、FN+カーソルキーで利用できます。また最近の機種らしくCopilotキーも搭載されています。
このCopilotキー、Microsoft Copilotが呼び出せて便利ですが、使わない人には不要です。近い将来このキーのカスタマイズが設定画面からできるようになるそうです。
指紋認証センサー搭載

キーエリア右下には「poly studio」の文字と指紋認証センサー。

指紋認証センサーの反応は良好。顔認証はラクですがカメラに顔を向けないといけなかったり、本機種に限らず解除まで若干時間がかかる場合があります。その点、指紋認証の場合だとセンサーに指を乗せるとサッとすぐ認証される印象があるので、顔認証と指紋認証、両方使えるのはいいですね。
タッチパッド

大きめの左右クリックボタン一体型のタッチパッド。同じタイプのタッチパッドと比較して飛び抜けたところはありませんが、反応がよく使いやすい印象でした。
本体右側インターフェイス

本体右側には奥から、ナノセキュリティロック ケーブル用スロット、有線LANポート、USB Type-A 5Gbps(SuperSpeed)ポート、nano SIM カードリーダー(一部のモデルのみ)が配置されています。
ビジネスの現場でもWi-Fi接続は増えていると思いますが、安定性やセキュリティ面から有線LANを採用している例もまだまだ多いでしょう。やはり有線LANポートがあると安心です。
nanoSIMカードリーダー

nanoSIMカードリーダーにはカバーはなく、SIMを差し込むだけ。カチッというまで奥まで差し込むタイプ。取り付けた状態では、挿し込んだSIMカードの頭が微妙にはみ出し、奥へ向けてぐっと押さえると取り外せます。
本体左側インターフェイス

本体左側には奥から、HDMI、USB Type-A、Thunderbolt4、すこし離れてオーディオポートが並んでいる。

本機種には電源ポートがなく、Power Delivery対応のUSB Type-Cポートで対応。どちらのポートでも充電可能です。市販の小型軽量な電源アダプターと組み合わせば、カバンも軽くなり持ち運びを意識するならこれは重要なポイント。
さらにDisplayPort対応なため、対応ディスプレイとの組み合わせで、この2ポートでも接続が可能です。HDMIポートと合わせて使用すれば、一度に3台のディスプレイと接続して4画面で使用することが可能。普段ウインドウをたくさん開いて仕事をするので、4画面を使用できるのは魅力的で個人的に憧れます。
またType-Aポートが左右にあるので、Type-A対応周辺機器の設置場所でも困りません。

左側手前にはオーディオポート。
ディスプレイ面

ディスプレイは最近の主流16:10の比率で、縦方向に表示される情報量多く、その分スクロール量が減ります。ベゼルも細くその分だけコンパクト。
また非光沢液晶なので、余計な映り込みが抑えられているため集中力もそがれませんし、目も疲れにくいです。HP EliteBook 635 Aero G11ほど軽くはありませんが、小型で軽量な特徴を活かして、外出先に持ち出した際には活躍してくれるでしょう。
WEBカメラにはスライド式のプライバシーシャッター搭載

カメラのプライバシーシャッターは手動でつまみをスライドさせるタイプ。物理的にカメラを遮るので安心感があります。リモートで接続の際、あらかじめシャッターを閉じておけば、映すつもりがなかったしぐさや風景シーンを見られて、恥ずかしい思いをするようなことが防げます。
スピーカー

スピーカーは背面手前の左右に配置。ノートパソコンとしては標準的で、ベンチマークで流れたゲームの音楽や効果音を聞いた限りでは、悪くない印象でした。ただ音質にこだわりをお持ちなら、ヘッドホンやスピーカーの利用をお勧めします。
付属品

付属品は最低限。電源アダプター一式に書類一式のみ。
付属書類

封筒の中身は保証書・セットアップ手順・法人ノートPC製品をご利用されるお客様への3点。
重量

各重量を計量。それぞれ本体:1268.3g 電源アダプター:231.1g 電源コード:111g 電源プラグ:40g。


電源アダプター&コード:342.2g(左写真)。電源アダプターはとても小さいのですが、コードが太めでかさばる上に取り回しがしにくいです。丈夫で安全性は高そうなのですが、個人的に持ち運ぶのは正直避けたいですね。

電源アダプター&電源プラグ:271.6g(左写真)。コードの代わりに使用する電源プラグは、コンセントへ差し込む部分だけのパーツです。
まとめ:HP EliteBook 630 G11は移動が多く、性能・セキュリティに妥協したくない人におすすめ
ここまで見てきた通り、HP EliteBook 630 G11は軽量で丈夫なPCでありながら、HP独自のセキュリティ機能が搭載されているバランスのいい法人ノートPCです。
- 移動がラク:約129kg(レビュー機実測:1268.3g)と軽量。
- 衝撃に強い:HP独自テスト および 米軍規格(MIL-STD 810H)準拠の耐久テストをクリア。
- 安全面強化:HP独自のセキュリティ機能が充実。
またCPUもインテル Core Ultra 搭載でパワフル。NPUを搭載しており、WEB会議における映像・音声処理や省電力に強く、これから本格化するAI機能にも対応しています。
おすすめユーザー
このPCは次のような人におすすめします。
- 移動が多く軽量で丈夫なノートPCを探している。例えば外回りが多い営業職など
- そこそこ安価でも性能やセキュリティも妥協したくない人。リモートワークが多い企業など。
- これからAIを活用していきたい人
以上、法人向けノートPC HP EliteBook 630 G11をレビューしました。この記事があなたのノートPC購入に参考になれば幸いです。
コメント