
HP EliteBook Ultra G1q AI PCは、HPから発売された最新のAI機能を搭載したビジネス向けノートパソコンです。濃い紺色系の落ち着いたボディの中には、クアルコム Snapdragon X Eliteプロセッサーと45TOPSのNPUが搭載され、AI処理能力が向上、バッテリー駆動時間も最大約26時間と長時間使用が可能です。
いわゆるCopilot+PCの条件を満たした次世代のノートPCで、各社から発売されているのは、まだ数えるほどしかありません。今回はこのHP EliteBook Ultra G1q AI PCをお借りしたので、特徴と魅力の一端をご紹介します。
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HP EliteBook Ultra G1q AI PC スペック
OS | Windows 11 Pro(64bit) |
プロセッサー | Qualcomm® Snapdragon® X Elite X1E-78-100 プロセッサー(最大周波数 3.4GHz / コア数 12 / キャッシュ 8MB |
メモリ | オンボード16GB LPDDR5X |
ストレージ | 512 GB M.2 SSD(PCIe NVMe) |
ディスプレイ | 14インチワイド(16:10) 2.2K 液晶タッチディスプレイ(光沢、2240×1400ドット、300cd/m²、UWVA)、WLEDバックライト、Low Blue Light |
グラフィックス | Qualcomm® Adreno™ グラフィックス(プロセッサー内蔵) |
インターフェイス | 【左側】 Thunderbolt™ 4(USB4 Type-C®40Gbps signaling rate、USB Power Delivery、DisplayPort™ 1.4) SuperSpeed USB4 Type-C (40Gbps signaling rate 、USB Power Delivery、DisplayPort™ 1.4)×1 SuperSpeed USB Type-C (10Gbps signaling rate 、USB Power Delivery、DisplayPort™ 1.4)×1 【右側】 SuperSpeed USB Type-A 5Gbps signaling rate USB Type-A (3.2 Gen2、チャージング) コンボステレオヘッドフォン/マイクジャック×1 |
キーボード | 英語配列キーボード、防滴機能・バックライト機能付き キーピッチ:19.0 x 18.4 mm、キーストローク:1.0 mm |
Webカメラ | HPプライバシーカメラ(5MP、開閉式スライドカバー)、IRカメラ(Windows Hello対応) |
セキュリティ | HP Sure Sense、Microsoft Pluton Security、HP Wolf Pro Security NGAV、Phishing Protection browser plugin |
無線機能 | Qualcomm FastConnect 7800 Wi-Fi 7 (アンテナ数:送信2、受信2)+ Bluetooth 5.4 |
サイズ・質量 | 約312.9 x 223.5 x 14.4(最厚部、突起部含まず、8.47(前部)、11.23(後部))mm / 約1.349kg |
バッテリー駆動時間 | MobileMark® 25: 最大約26時間59分、JEITA測定法Ver3.0 : |
電源アダプター | HP 65W スリムUSB Type-C™ アダプター(HP ファストチャージ対応、動作電圧:100-240 VAC(電源コードは100VAC)、動作周波数:47-63 Hz) ※USB-C接続のため市販ACアダプター使用可能(記事参照) |
その他 |
HP EliteBook Ultra G1q AI PCの特徴
- 45TOPのNPU!Snapdragon X Elite プロセッサー搭載
- 40TOPS以上のNPU搭載したHPのPCだけがつけられる「HP AI Helix ロゴ」
- ひらがな表記がなくてスッキリ!英字キーボードを採用
- HP独自のAI機能・セキュリティ機能を搭載
- バッテリー駆動時間が26時間と長い(※カタログ値)
45TOPのNPU!Snapdragon X Elite プロセッサー搭載

Snapdragon X Elite ステッカーが貼られていることからもわかるように、IntelのCore iシリーズでも、AMDのRyzenシリーズでもなく、クアルコムのSnapdragon X Eliteが搭載されています。Snapdragonといえばスマートフォンに広く採用されており、バッテリーの省電力性能が優れていることが有名ですが、Windowsにおいても、その省電力効果が期待できます。
またNPUは45TOPS。Microsoftの「Copilot+PC」の条件40TOPS以上を満たしており、これから充実していくAI機能に対応できます。今のところ、40TOPSをクリアしているのは、Snapdragonのみ。IntelもAMDもこれから登場してくる予定です。
※Copilot+ PC は Microsoft が提唱する新しい AI PC の規格です。その要件の一つに 40TOPS 以上の NPU 搭載 が含まれています
※NPU(Neural Processing Unit) は AI 関連の処理に特化したプロセッサで、AI 推論に適しています。性能は TOPS で表され、整数演算を 1 秒間に何兆回実行できるかを表します。
40TOPS以上のNPU搭載したHPのPCだけがつけられる「HP AI Helix ロゴ」

HP AI Helixロゴとはいったい何を表すのか?を簡単に言えば次のようなことを表しています。
- AIが速い!: このPCの中にあるAIは、1秒間に40兆回もの計算ができる。だから、AIを使っていろんなことができる。
- AIが安全!: このPCは、AIを使った攻撃から守る機能もついているから安心。
- AIが便利!: このPCを使うと、AIが手伝ってくれるから、もっと簡単にいろんなことができるようになる。
HPの新しいマーク「HP AI Helixロゴ」は、AI技術を活用した最先端のPCやサービスに付けられるものです。このロゴは、DNAのらせん構造をモチーフにしていて、「AIをPCの中核に組み込む」というHPの姿勢を表しています。
例えば、このロゴが付いたPCは、超高速なAI処理(40兆回/秒以上)が可能な特別なチップ(NPU)を搭載していて、AIを使った便利な機能や安全対策が使えます。スマホで使うAIよりもさらに進化した技術がPCで体験できるというイメージです。
このロゴを見れば、そのPCがAIの力を使った革新的な製品であることが一目でわかるようになっています。
ひらがな表記がなくてスッキリ!英字キーボードを採用
HP EliteBook Ultra G1q AI PCは、英字キーボードを採用しており、ひらがなが表記されていない分、見た目がスッキリとしています。またキーの数も日本語キーボードよりも、縦1列分少ないです。
少しキーの数が少ないことで、バックスペースキーなど一部のキーが大きくなり、サイズ的には日本語キーボードよりも入力しやすい人も多いんじゃないでしょうか。キー間の適度なスペースと滑らかな打鍵感は、タイピングの快適さを向上させ、普段使いからレポート作成まで幅広く活用できます。
注意点としては、まずローマ字入力している人向けのキーボードだということ。キーにひらがな表記がないので、かな入力をしている人にはおすすめできません。
もうひとつは記号のレイアウト。@や*、:など、英数字以外の記号類のレイアウトが日本語キーボードとは異なるため、英字キーボードが初めての場合は、はじめは戸惑うでしょう。また慣れるまでは打ち間違いやすいはずです。
ただ慣れると快適のようで、英字キーボードのコアなファンが私の身近にも結構います。彼らは「日本語キーボードには戻れない」と口をそろえて言うので、そのうち私も試してみようと思っています。
HP法人PC標準のセキュリティ機能にHP独自のAI機能もプラス
HPの法人PCといえば、BIOSレベルでのセキュリティやセキュリティチップ搭載など、高いセキュリティ性能が魅力です。EliteBook Ultra G1q AI PCではそれに加えて、AIによるフィッシング詐欺の検知や侵入検知といった、より高度なセキュリティ対策が施されています。大切なデータをしっかりと守りながら、安心して仕事を進められます。
Snapdragon採用でバッテリー駆動時間が26時間と長い
Snapdragonの優れた省電力性能のおかげで、バッテリー駆動時間がなんと26時間!一日中外出してもバッテリー切れの心配がなく、長時間の外出や出張でも安心して使用できます。バッテリーの持ちが良いため、充電の頻度を気にせずに業務に集中することができます。
YouTubeを連続再生してもかなりのバッテリー残

Snapdragon搭載でバッテリーの持ちがいいということで、今回YouTubeを連続再生し、バッテリーの減り具合を確認してみました。
測定項目 | 測定数値 |
---|---|
YouTube連続再生時間 | 11時間(10:54 ~ 21:53) |
バッテリー残 | 58%(100% → 42%) |
11時頃に開始して、11時間後の22時頃の時点でバッテリー残量は42%と、約4割近く残っていました。PCを使った作業の内容次第で結果は変わってくると思いますが、普段使いのノートPCで同じことをやれば、これほど長時間はバッテリーが持たないであろうことを考えると、心強い結果です。
HP EliteBook Ultra G1q AI PCの重量
レビュー機本体の重量は、実測値で約1.34kg。
測定対象 | 重量(g) |
---|---|
PC本体 | 1338.9 |
電源アダプター | 243.5 |
コード | 107.6 |
プラグ | 40.0 |
測定対象 | 重量(g) |
---|---|
PC本体 + 電源アダプター + コード | 1690.0 |
PC本体 + 電源アダプター + プラグ | 1622.4 |
HP EliteBook Ultra G1q AI PCの外観

本体のカラーはアトモスフィアブルー。紺色を一段と暗くしたような落ち着いた印象です。以前レビューしたdragonflyよりも濃い色合いでシブいくてカッコイイ印象。個人的にはこちらの方が好みです。
天板

表面はサラサラとした手触り。
背面

背面左右にELITEBOOKとHP AI Helix ロゴの刻印。
底面

底面には通気口とゴム足、手前側左右にスピーカーが配置され、全体的にスッキリとした印象。メモリーはオンボードで交換できないため、交換用の開口部はありません。
開き具合

ディスプレイを最大まで開いても180度までは開きませんが、ノートPCとして使用するのに十分な開き具合。キーボード側ボディにディスプレイ下部が潜り込むためキーボードに傾斜が付き、机との間に少し空間ができます。
ディスプレイとキーボードの間に排気口

キーボード奥側に排気口。
キーボード面

キーボードは英語キーボードで、まずひらがなの表記がありません。日本語キーボードに比べキーの数が少ない分、キーが小さくならず押し間違いが減りそうです。
またショートカットキーは英語キーボードに最適化されているという話(参考記事:「英語キーボード」の根強い人気が続く理由 )もあり、慣れれば英語キーボードから離れられなくなるかも。
キーボード左側

英語キーボードなので、記号の配置が日本語キーボードとは異なるため、全角/半角キーがなかったり、左側に@キーがあるなど、日本語キーボードとの違いが目立ちます。
初めて触る人は慣れるまでしばらく大変かも知れません。モバイルキーボードなどでたまに採用されていて、私の主観ですが慣れてしまえば大したことはないです。単純に見た目がスッキリしていていいですね。
FN LOCK

前回レビューした機種 HP EliteBook 630 G11 と同様に、FN LOCKが左側のSHIFTキーに割り当てられており、FN+SHIFTキーでファンクションキーとマルチメディアキーを切り替えられます。BIOSで変更しなくていいので好きな時に気軽に変更できてラクチン。できれば全PCに搭載してほしいですね。
キーボード右側

これもHP EliteBook 630 G11と同様に電源ボタンがキーボード右上角にレイアウトされています。ほかのキーボードと色が違うので目立ちます。個人的に電源ボタンはキーボードとは分けて欲しい派ではありますが、約1.5秒程度長押しして初めて反応するため、間違えて押したくらいでは反応しないので安心です。
バックスペースが大きめなので、ブラインドタッチでバックスペースを押す際にも、移動距離が少ないためバックスペースまわりのタイプミスも減りそう。私の身近に英語キーボードにこだわる人がいますが、タイピング効率的にこういったところは結構重要ということです。
タッチパッド

マルチタッチジェスチャー対応のタッチパッドも大きめ。左右のクリックボタンはタッチパッドと一体型。反応は悪くないです。
バックライト

キーボードには2段階のバックライトが付いています。暗い部屋での入力に有効です。
本体右側インターフェイス

インターフェイスは少な目。右側にUSB3.2 Type-A(5Gbps)とオーディオポートを搭載。
本体左側インターフェイス

左側は、Thunderbolt4(USB4 Type-C 40Gbps)搭載。Power Delivery対応で、2ポートとも電源ポートとして利用可。DisplayPort対応で、ディスプレイとの接続もこれを使用します。
ディスプレイ面
16:10 画面占有率 87.81% 快適な画面表示のための低ブルーライトディスプレイ。タッチ対応なので、ちょっとしたときにタッチパッドやマウスを使わず、直接画面への操作も可能で便利です。
映り込み

タッチディスプレイ対応なので光沢があり、その分映り込みします。
WEBカメラにはスライド式のプライバシーシャッター搭載

Webカメラには手動スライド式のプライバシーシャッターが付いています。物理的にカメラを遮るため、リモートで接続の際、あらかじめシャッターを閉じておけば、油断した姿を見られることもありません。
スピーカー

底面左右の手前にはスピーカーが配置されており、感じ方に個人差があるとは思いますが、ノートPCとしては悪くない音でした。
付属品
アダプター

付属書類

セットアップ手順は日本語版、英語版が1部ずつ。保証書と法人向けノートPC製品をご利用されるお客様へが1部ずつとシンプル。
まとめ
クアルコム Snapdragon X Eliteプロセッサーと45TOPSのNPUが搭載されたHPのCopilot+PCである HP EliteBook Ultra G1q AI PC。
シックな濃い紺色系のボディに英字キーボード採用で、スッキリとした外観、約1.349kg(レビュー機実測1338.9k)と比較的軽量なため、フットワーク軽く持ち出せるノートパソコンでした。
注意が必要なのは、アプリケーションの互換性。もしHP EliteBook Ultra G1q AI PCを購入する場合は、通常使用しているアプリケーションが対応済みかどうか、事前に確認したうえで購入するようにしましょう。
なお、記事でもふれたように、YouTubeを11時間連続で再生して、バッテリー残量が42%も残っていました。もちろん作業の種類にもよりますが、アダプターなしで外出しても十分足りるのではないかと思わせてくれる結果でした。

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