
- 手軽に持ち運べて、高性能なノートPCが欲しい。
- ビジネスでノートPCを使うなら、セキュリティ面で安心な機種がいい。
- AIに対応したノートPCを使ってみたい。
そんな希望を叶えるノートPCが欲しいなら、ハイスペックなビジネス向けAI PCであるHP EliteBook X G1i 14がおすすめ!
本記事では、その魅力の詳細をレビューしますが、まず簡単にポイントをご説明します。
HP EliteBook X G1i 14は、最新Core Ultraと高性能NPUを搭載したCopilot+ PC準拠のAIノート。約1.19kgの軽量設計で携帯性に優れ、長時間駆動や急速充電にも対応しています。
通信機能は、Wi-Fi 7やLTE/5G、eSIM対応など通信機能が充実(※一部オプション)し、HP Wolf Securityや生体認証などの強固なセキュリティも装備。AIノイズ除去や自動フレーミングによる高品質なビデオ会議にも強い、ビジネス向けの万能モデルです。
それってどういうこと?と気になった方は、この後の記事で詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください。
HP EliteBook X G1i 14 AI PCのスペック
| 筐体素材 | CNCマグネシウム |
| カラー | アトモスフィアブルー |
| OS | Windows 11 Pro(64bit) |
| プロセッサー | Core™ Ultra 5 228V Core™ Ultra 7 258V ←レビュー機 |
| メモリ | 32GB LPDDR5X(オンボード) |
| ストレージ | 512GB M.2 SSD(PCIe NVMe) 1TB M.2 SSD(PCIe NVMe) ←レビュー機 |
| ディスプレイ | 14インチワイド(16:10) WUXGA 液晶(1920×1200)、非光沢 HP Sure View 5(内蔵プライバシースクリーン機能)搭載可能 ※対象モデルのみ ←レビュー機 |
| グラフィックス | Intel Arc グラフィックス (CPU内蔵) |
| インターフェイス | 【左側】 ・HDMI 2.1×1 ・Thunderbolt™ 4(USB4 Type-C®40Gbps signaling rate、 USB Power Delivery、DisplayPort™ 2.1)×2 ・3.5mm オーディオ / マイクジャックコンボ 【右側】 ・USB Type-C® 10Gbps signaling rate(USB Power Delivery、DisplayPort™ 1.4) ・USB Type-A 5Gbps signaling rate (Powered) ・Nano SIM カードリーダー(対象モデルのみ)←レビュー機 |
| キーボード | 日本語 HP Premium Keyboard(電源ボタン搭載) 防滴機能付き、キーピッチ:18.7×18.7mm、キーストローク:1.3mm、 JIS標準準拠・OADG準拠配列、バックライト機能付き |
| ポインティングデバイス | クリックパッド(マルチタッチジェスチャー対応) |
| Webカメラ | 5MP Webカメラ (HP Auto Frame) IRカメラ (Windows Hello対応) プライバシーシャッター付き |
| オーディオ機能 | ・Audio by Poly Studio 内蔵クアッドスピーカー ・内蔵デュアルアレイマイク |
| セキュリティ | ・HP Wolf Security for Business (HP Sure Sense、 HP Sure Start、HP Sure Click、HP Sure Run、 HP Sure Recover、HP Sure Admin、HP Tamper Lock ・HP BIOSphere Gen6、HP Secure Erase (NIST準拠)) ・ナノセキュリティロック ケーブル用スロット (約2.5 x 6mm) ・Enhanced Sign-in Security (ESS) 有効 |
| 無線機能 | インテル® Wi-Fi 7 BE201 a/b/g/n/ac/ax (アンテナ数:送信2、受信2)(Wi-Fi準拠)、Bluetooth5.4 |
| WWAN | なし / HP R15 5G Solution ←レビュー機 |
| 通信サービス | なし / HP eSIM Connect対応、5年間au回線データ通信 無制限(法人限定)←レビュー機 |
| サイズ・質量 | 約313.9 x 219.9 x 10.5mm / 約1.19kg~ |
| 電源アダプター | HP 65W スリム USB Type-C アダプター ※HP ファストチャージ対応 サイズ:97x 53.5 x 21(突起部・コード含まず)mm、約220g |
HP EliteBook X G1i 14 AI PCの主な特徴 および おすすめポイント
冒頭で挙げた以下の項目は以下の通り。
- Copilot+ PC準拠
- 薄型・軽量設計
- 長時間駆動 & 急速充電
- 先進の通信機能
- 強固なセキュリティ
- 高品質なビデオ会議体験
もう少し掘り下げてご紹介していきます。
Copilot+ PC準拠。
最新の インテル Core Ultra (Lunar Lake) プロセッサー、Core™ Ultra 5 228V または Core™ Ultra 7 258V を搭載。それぞれのNPUは最大40TOPS または 最大47TOPSの性能で、40TOPS以上というCopilot+ PCの基準を満たしています。
「TOPS」とは一言でいえば「AI処理能力」のことで、例えば40TOPSは、「1秒あたり40兆回以上のAI演算が可能」ということになります。
つまりどういうことかというと、インターネットに接続しなくても使用できる「ローカルAI」を活用できる性能を持っているということ。
話題のChatGPTなどは、インターネットにアクセスしないと使用できませんし、情報漏洩にも注意する必要がありますが、Copilot+ PCに準拠したPCなら、インターネットに接続しなくてもAIが使用でき、個人情報を送る必要がないためセキュリティ面も安心だと言われています。
またAIがPCの様々な処理を行うため、高速・省電力を実現可能になるというわけです。
尚、レビュー機はCore™ Ultra 7 258Vを搭載しており、最大47TOPSの性能があります。
薄型・軽量設計
わずか 約1.19kg~ の軽量ボディで、持ち運びやすさ抜群。薄型で軽いため、スムーズにカバンに入れられて、外出先に手軽に持ち出せます。
尚、レビュー機は1.25kg。これは、ディスプレイの「のぞき見防止機能(HP Sure View Reflect)」やWWANおよびnanoSIMカードスロット、バッテリーの重さが反映されていると思われます。
とはいえ差は60g。チョコパイが2個で65.4gなので気にならない重さの違いです。
長時間駆動 & 急速充電
長時間バッテリーに加え、HP Fast Chargeにより約30分で最大50%充電が可能。おかげで急な外出にも対応できます。
さらにAIによる効果でバッテリー駆動時間も向上しています。AIが日々の使用状況を学習し、最適な充電速度や状況に関与、経年劣化を抑えてくれます。
先進の通信機能
最大通信速度や接続の安定性が向上するといわれている最新規格のWi-Fi7に対応。使用する環境が整えば、より快適な通信環境でインターネットを利用できます。
またレビュー機のように対応モデルは LTEまたは5G に対応。法人向けには 後述する「HP eSIM Connect」を用意。5年間データ通信無制限で利用できるサービスが利用できます。
高品質なビデオ会議体験
AIノイズリダクションや自動フレーミング等で、快適なオンラインミーティングをサポート。
コラボレーションアプリ「poly camera pro」では、リモートワークでの表示をAIで調整したり、自分でカスタマイズが可能。機能としては以下のようなものがあります。
- スポットライト・・・音と背景のコントラストを上げ、あなたに焦点を合わせ目立たせる。
- 背景ぼかしと置換・・・背景のぼかしや画像変更を行い、プライバシーを保護。
- 自動フレーミングとパン・・・動きに合わせあなたを画面の中央にキープしたりズーム。
- 動画フレームをカスタム・・・フレームにロゴ・名前・メールアドレスなどを表示。
強固なセキュリティ
HP Wolf Security、顔認証(IRカメラ)、指紋認証、プライバシーシャッター、のぞき見防止機能(HP Sure View Reflect)など、ビジネス利用に安心のセキュリティ機能を搭載。
顔認証(IRカメラ)、指紋認証、プライバシーシャッター、はもちろん、法人モデルのみに搭載されているHP Wolf Securityでマルウェアにも対応しています。
ハードウェアレベルで働く、高度な法人向けセキュリティ機能搭載で安心
HP EliteBook X G1i 14 AI PCには、情報漏えいやマルウェア感染を未然に防ぐための最新セキュリティ機能が標準搭載されています。特にテレワークや外出先でPCを使う機会が多い方には大きな安心材料です。ここでは、たくさんあるセキュリティ機能の一部をご紹介します。
HP Sure Sense(AIウイルス対策)
AIを活用し、未知のマルウェアを含む高度な脅威をリアルタイムで検知・防御します。(ディープラーニングで未知のウイルス等をAIが学習し自動で対応。)
HP Sure Start(BIOS自己修復機能)
BIOSに改ざんがないかを調べ、不正な状態を検知した場合、自動的に回復します。(パソコンの“心臓部”が壊されても、自動で元に戻ります。)
HP Sure Click(仮想環境での安全閲覧)
メールの添付ファイルを開いたり、ウェブ閲覧やファイルのダウンロード時にマルウェア感染からPCを隔離し、脅威を無力化します。(ウイルス付きのPDFや危ないWebサイトを開いても、パソコン本体に影響を与えません。)
HP Tamper Lock(筐体が開けられるとロック)
PCの物理的な改ざんを検知し、管理者へ通知、あるいは自動的にデバイスをロックします。(誰かが勝手にPCを開けようとしたら、自動でロックされ、再起動時に通知が出ます。)
ほかにもBIOS管理を認証強化するHP Sure Admin、重要なプロセスを自己保護するHP Sure Runなどの機能が含まれます。
このように、ほかのHP法人モデルと同様にHP EliteBook X G1i 14 AI PCには、充実したセキュリティ機能が搭載されています。
社外への持ち出しやリモート業務の増加に伴い、安心して導入できるポイントのひとつです。
5年間使い放題無料LTE HP eSIM Connect 付属モデルあり(法人限定)
HP eSIM Connectは、LTEネットワークを通信費無料で5年間使用できるサービスです。安心のau回線を利用しています。
主に外出先でのパケット代を意識せずに使用できるということで、単純にコスト面では通信費がかからない、という点がメリットですが、ほかにもカフェや駅などでのオープンWi-Fiに接続しなくてもよいので、安全に通信ができることも大きなメリット。
HPの法人モデルは、個人でも購入できるところが利点ですが、残念ながらHP eSIM Connectは個人には提供されていませんのでご注意ください。
対応機種:BC4P7AT-xxxx|BC4Q1AT-xxxx|BX2T6AT#ABJ|BX2T5AT#ABJ
注意するポイント
メモリの増設ができない
メモリはオンボードのため、増設はできない点は認識しておく必要があります。
ただしWindows10以前の必要メモリー容量の今までの傾向から、Windows11のアップデートが繰り返され必要な容量が上がっても、本機種は32GBと十分な容量を搭載しているため、問題にならない可能性が高いです。
価格帯がやや高め
高性能CPUや質の高い筐体を採用し性能的にハイエンドなため、一般的なノートPCと比べると価格は高めです。コスパ重視の人には割高に感じる可能性があります。
一般ユーザーには性能を持て余す可能性
Web閲覧やOffice作業など、軽い作業が中心の用途では、本機の高性能を活かしきれず、オーバースペックになる場合があります。
もちろん、快適に使えることは間違いないでしょう。
HP EliteBook X G1i 14 AI PCの外観
天板

ボディカラーのアトモスフィアブルーは、深海を思わせる深い色合いで、Dragonfly後継機らしさを感じさせます。
過去にDragonfly初代・G2をレビューした際にはもう少しだけ明るめの青だったと思いますが、HP EliteBook X G1i 14がより深い色合いで比べると少し落ち着いた感じに見えます。
また色合い的な問題で、微妙に指紋残りを感じる場面はありましたが、表面はサラッとしているのでサッと拭き取れば問題ないと思います。

天板中央にHPのプレミアムロゴ。最上位製品のみ鏡面仕上げ
背面

背面左側にはEliteBookのプリントのみとシンプル。
底面

底面手前の左右にスピーカー、ゴム足を配置。奥側には通気口、およびゴム足を配置。メモリーはオンボードで交換がないため、底面には開口部なし。
開き具合

ディスプレイ面は、180度近くまで開きます。
ディスプレイとキーボードの間に排気口

ディスプレイとキーボード面の間に排気口。
キーボード面

キーボード面にはキーボードと大きなタッチパッド。底面手前左右に加え、キーボードの左右にもスピーカーがあります。

バックライト機能・防滴機能付きの日本語キーボード。キーピッチが18.7×18.7mmと、一般的に良いとされる19mmに近いため、無理なく入力できる。キーストロークは1.3mm。
なかなか入力しやすいキーボードでした。
FN LOCK

マルチメディアキーとファンクションキーを入れ替えるFN LOCKキーは、FN+左SHIFTキーでFN LOCKキーを切り替え。ファンクションキーがメインの時には、FNキー右上に組み込まれたLEDが点灯します。
FNキーとSHIFTキーが奥と手前で隣り合っているため、切り替えがカンタンです。
powerキー(指紋認証センサー付き)

キーボード右上角には、指紋認証センサーを兼ねたpowerキーが配置されています。キー上部にはLEDが組み込まれていて、稼働中は点灯します。
指紋認証センサーは反応がよく、認証がスムーズです。
スクリーンショットが撮りやすく配置されたPRT SCキー

スクリーンショットを撮る際に押すPRT SCキーは、右側のSHIFTキーに割り当てられています。Windowsキーを押しながら右側のSHIFTキーを押すと、スクリーンショットが撮れます。
一般的に奥にあることが多いPRT SCキーが、手前にあるのはラクでいいですね。
HP AI Helixロゴ

「HP AI Helix ロゴ」は、40TOPS以上のNPU搭載したHPのPCだけがつけられるマークです。これがあるだけで、性能が高いことがわかります。
タッチパッド

タッチパッドは大きく反応もいいので、操作がしやすいです。
バックライト

キーボードのバックライトは、F5キーに割り当てられていて、キーを押すだけで明→暗→OFFの順で切り替えられます。
本体左側インターフェイス

本体左側には奥から、HDMI 2.1、USB Type-C×2、コンボステレオヘッドフォン/マイクジャックが並んでいます。
本体右側インターフェイス

本体右側奥から、ナノセキュリティロック ケーブル用スロット、USB Type-A、USB Type-C、Nano SIM カードリーダーが配置されています。
5GbpsのType-Aは給電能力を備え、スマホへ充電可能。Type-Aはこの1ポートのみ。
また右側にも配置されたType-CもPower Delivery対応なので、本体を充電可能。本体左側のType-Cがふさがった場合でも、右側でも充電ができるのは便利ですね。ただし左側の20Gbpsとは違い右側は10Gbps、ディスプレイ出力は4Kではなく2Kです。
さらにレビュー機はNano SIM カードリーダー搭載のモデル。物理SIMが使用できるので、モバイルWi-Fiルーターやスマホのテザリングなどを使わなくても、外出時にはPC単体で通信可能です。
ディスプレイ面

14インチワイド(16:10) WUXGAの液晶ディスプレイは、解像度が1920×1200ピクセル。非光沢なので外出先でも、あまり映り込みを気にせず使用できます。
さらにレビュー機のように、モデルによってはHP Sure View 5(内蔵プライバシースクリーン機能)を搭載しており、のぞき見を防げます。
映り込み

非光沢液晶を搭載。光の反射や映り込みがなく疲れにくいです。
WEBカメラにはスライド式のプライバシーシャッター搭載
Webカメラにはプライバシーシャッターを搭載。カメラ上部のつまみをスライドして物理的に映像を遮断できます。Web会議などで意図せず見られたくないシーンを見られる事故を防げるので安心です。
本モデルは指紋認証センサーがあるので、プライバシーシャッターを閉じていて顔認証を使えなくても、ロックを解除できます。
のぞき見防止機能「HP Sure View 5」搭載
レビュー機のモデル(BC4Q1AT-xxxx)は、内蔵プライバシースクリーン機能 HP Sure View 5を搭載。粘着式や着脱式のフィルターを使う必要がなく、キーひとつで切り替えが可能。
ONにすると視野角を狭め、カフェなど外出先で、ディスプレイをのぞき見られるリスクを軽減してくれます。
以前レビューした初代HP Dragonflyに搭載されて登場した当時は、OFFにしていても少し画面が暗く感じましたが、OFF状態では特に暗く感じることがなく、かなり改善されている印象でした。
スピーカー

キーボード両サイドのスピーカーに加え、底面前面の左右にもスピーカーを配置。音はノートPCとしては悪くないです。
私は音にこだわるタイプではないので、個人的な感想レベルではありますが、ファイナルファンタジーベンチマーク中に音を聞いた限りでは、とてもいい音に聞こえました。
付属品
アダプター

電源コード、HP 65W スリム USB Type-C アダプター、電源プラグ。
付属書類

付属書類は4点とシンプル。
HP EliteBook X G1i 14 AI PCの重量

- 本体:1.251kg
- 電源アダプター:206.5g
- 電源コード:107.5g
- 電源プラグ:40g
冒頭でも言及した通り、PC本体が1.25kgと軽量。薄型で軽量なので、気軽にカバンに入れて外出できます。電源アダプターの代わりに付属の電源プラグを使えば、電源コードのようにかさばらず、さらに軽くなります。
まとめ
HP EliteBook X G1i 14 AI PCは、約1.19kgの薄型・軽量ボディに、Copilot+ PC準拠の高性能AI処理能力と法人向けの強固なセキュリティを兼ね備えた、完成度の高いビジネスノートPCです。
Core Ultra(Lunar Lake)と高性能NPUにより、ローカルAI処理による省電力・高効率な動作が可能で、日常業務からオンライン会議まで快適にこなせます。
Wi-Fi 7やLTE/5G(対応モデル)、eSIM対応といった通信面の充実に加え、HP Wolf Securityをはじめとするハードウェアレベルのセキュリティ機能は、外出先やテレワークでも安心して使える大きな強みです。
また、のぞき見防止機能「HP Sure View 5」や高品質なWebカメラ、Poly Studioによる音声・映像補正など、ビジネス用途を意識した装備も抜かりありません。
一方で、メモリがオンボード固定である点や、価格帯がやや高めな点は注意が必要です。ただし、携帯性・性能・セキュリティを高い次元で両立したAI対応ビジネスPCを求める人にとっては、十分に納得できる1台といえるでしょう。
「軽くて高性能」「安心して持ち歩けるAIノートPC」を重視するビジネスユーザーにおすすめです。

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