
Dell Inspiron 15 7501は、個人・一般向けでハイスペックな15.6インチノートパソコン。
Core i7 / 16GBメモリ / 512GB SSDに加え、NVIDIAのグラフィックボードGeForce GTX1650Tiを積んでおり、基本的に重い処理もこなせる高いスペックを持っています。
ベンチマークでは、高いスペックの割には思ったより数値が伸びないようなところもありましたが、実際に一日じっくり業務で使ってみると、とても快適な印象でした。
おまけにテンキーもついているので、慣れれば事務作業にうってつけです。
それでは詳しく見ていきましょう!
スペック
OS | Windows 10 Home (64bit) |
プロセッサー | Core i7-10750H |
メモリ | 8GB / 16GB(8GBオンボード+8GB SODIMM DDR4), |
ストレージ | SSD 512GB (M.2 PCIe NVMe) / SSD 1000GB (M.2 PCIe NVMe) |
ディスプレイ | 15.6インチ FHD (1920 x 1080) 非光沢LEDバックライト 広視野角 sRGB100% 8bit |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce® GTX 1650 Ti 4GB GDDR6 |
光学ドライブ | なし |
キーボード | 日本語キーボード(バックライトキーボード)テンキー付き |
無線機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax(Wi-Fi6) / Bluetooth 5.1 |
サイズ・質量 | W356.1 × D234.5 × H17.5-18.9 mm / 1.75kg |
バッテリー | 最大時間 / |
その他 | 指紋認証センサー |
外観

ボディー全体がアルミ素材の金属的な外観は、頑丈な印象もあり安心感があります。表面は梨地可能されており、指紋が残りにくくサラサラとした気持ちいい手触り。

天板中央にはおなじみDELLの丸いロゴマークが配置されています。

ヒンジがある天板奥側は、全体的に細い板を丸くつなげたような、金属のカバーがついていて、左右両端に板(おそらく樹脂製)が付いています。ちょっと変わったデザインですが、これをラバードロップヒンジと呼ぶそうです。

本体がせり上がった分の空間ができるので、底面の吸気口からの吸気しやすくなることが期待できます。また傾斜がつくため、キーボードが打ちやすくなります。
インターフェイス(向かって右)

向かって右奥には、奥からオーディオジャック、 Type-AのUSBポート、microSDカードスロットが配置されています。フルサイズのSDカードスロットではなく、microSDカードスロットというところが残念。
インターフェイス(向かって左)

向かって左奥には、奥から電源ポートとLED、HDMI、Type-AのUSBポート、Type-CのUSBポートが並んでます。
キーボード・タッチパッド

キーボードはテンキー付き。テンキーがついている代わりに、メインの文字キー以外、例えばesc、backspace、enterなどが小さくなっています。
特殊なのは、enterキー上下の3つ(backspace、enter、shift)が小さくなり、さらに隣のキーとくっついて配置されていること。一般的なキーボードを使っている人にとっては、慣れるまで戸惑うポイントかも知れません。
実はこの部分、普段2・3台のモバイルキーボードを使っていることもあって、個人的にはそれほど苦ではありません。
はじめに覚悟さえしてしまえば、けっこう早く慣れるものですし、どちらかといえば、この機種の電源ボタンのほうが個人的には違和感があります。
でもまぁ、いつも使っているものと違うために打ち間違ってしまうと、確かにストレスは大きいですよね。
指紋認証センサーを兼ねた電源ボタンはキーボード右上に

キーボードのキーの一つとして電源ボタンを配置することには、ちょっと違和感を感じます。
自分が使っている(使ったことのある)ノートパソコンでは、一番右上のこの位置にはDeleteキーが配置されていることが多く、Deleteキーを押そうとして、電源ボタンを押してしまった、ということになりかねないんじゃないかと・・。
エンターキーなども、配置の違いによって打ち間違えれば「イラッ」とします。けっこう早く慣れる、とは書きましたが、慣れていても時々間違って押してしまうことはあります。
ですが、エンターキーなど普通のキーを押し間違えることと、電源ボタンを間違えて押してしまうこととは違うと思うんですよね。
電源ボタンを間違えて押してしまうと、スリープや設定によっては、シャットダウンしてしまう恐れがあり、ちょっと押し間違えた、「イラッ」とでは済まないこともあるのではないか、と思ったりするのですが・・。
とはいえ、指紋認証センサーは感度良好で、一度も誤認識がなくスムーズに認証できました。
またNew XPS 13同様に、Inspiron 15 7501では、閉じた状態から天板を開くと、自動的に起動するようになっていて、電源ボタンを押す手間は省かれています。
ファンクションキーとマルチメディアキーの切り替えはカンタン!

もうひとつ、キーボードで戸惑う部分があるとすれば、ファンクションキーです。
従来のファンクションキーに、ディスプレイの明るさや音量などを割り当てたマルチメディアキーが、Inspiron 15 7501には採用されています。
マルチメディアキーがメインになっていると、F1からF12のファンクションキーを押したい場合に、わざわざfnキーを押しながらファンクションキー押さないといけないため、ファンクションキーに慣れた人にとってはとても面倒です。
これを入れ替えるのに、BIOSを編集する必要がある機種もあるのですが、このInspiron 15 7501にはBIOSを触らなくてもそれを楽に切り替える工夫があります。

それがファンクション <Fn> キーロック機能です。
escキーには、Fnと書かれた鍵マークがプリントされていますが、これはfnキーをロックするためのものです。
つまり普段は、マルチメディアキーがメインになっていて、単にF1を押すと消音、fnキーを押しながらF1を押すと、従来のF1が働くという状態が、一度fnキーを押しながらescを押しておくと、マルチメディアキーとファンクションキーが入れ替わります。

この機能があるだけで、ファンクションキーを押したいとき、いちいちfnキーを押しながら押す必要がなくなるため、慣れた人にとっては今まで通りファンクションキーを打てるので、とても楽です。
とはいえマルチメディアキーは便利なキーなので、これをメインで使いたいときは、fn+escで切り替え、元に戻して使えるのはうれしいですね。
事務仕事に最適なテンキー付き!

エクセルなどを使う事務作業がはかどります。少しだけですが、実際に職場で使用してみましたが、やはりテンキーがあるのとないのとでは使い勝手がまるで違います。
さらに計算機アプリを起動する計算機キーが用意されていて、必要な時にすぐに計算ができ便利でした。
キーボードバックライト
キーボードはバックライト付きで、暗い中での作業もこなせます。F5キーのメインがバックライトの切り替えキーになっていて、明るさは2段階、キーを押すごとに明→暗→切と切り替わります。

一度F5キーを押すと点灯(明)

もう一度押すと点灯(暗)

さらに押すと消灯します。
ディスプレイはベゼルが上9mm、左右5mmの狭額縁

ディスプレイベゼルは狭額縁、上部が約9mm、サイドが約5mmととても細く、本体のコンパクト化に一役買っています。

カメラにはスライド式の物理シャッター付き


カメラにはスライド式のつまみがついていて、カメラのシャッターの切り替えができます。物理的にカメラをふさげるので、万が一知らないうちにパソコンが乗っ取られたりしても、こちらの姿を見られない安心感があります。
ベンチマーク
いくつかベンチマークテストをしてみました。
CrystalDiskMark 7

PCIe-NVMeのSSDを積んでいるため、とても高速です。
CINEBENCH R20

CINEBENCH R20でCPUのベンチマークテストを行ってみたところ、2338ptsという結果になりました。

Core i7-10750Hだと、2600ptsという数値がでるという記事も目にしたため、もう一度テストしてみると、1975pts・・。何度か測ってみたものの、1900から2300の間の数値しか出ず、2600ptsという数字は出ませんでした。

どうやらお借りしたパソコンでは、このくらいの数値のようです。
FINAL FANTASY XV(15)ベンチ

次にFF15ベンチを行ってみましたが、うっかり最大解像度の4Kフルスクリーンしかテストしておらず、FHD(1920×1080)でのテストを忘れていました。
当たり前かもしれませんが、4Kではやはり重すぎたのか、スコアが1425、動作困難という評価でした。
ちなみにインターネット上で、他の報告をいくつか見てみたところ、FHD(1920×1080)では5000台の結果が出ているようです。
これなら画面のちらつきなどに悩まされず、しっかり楽しめそうですよね。
ドラゴンクエストX ベンチ

ドラクエベンチもやってみました。
結果はご覧のとおり「やや重い」。最高品質のFHD(1920×1080)で、スコアが2521。軽めのゲームのはずがこの数値。スペック高いのになー?と思ってよく見ると、電源アダプターを接続しておらず、バッテリーのみの状態でした。
では、電源アダプターを接続したらどうなるのか?
やってみました。

結果は「すごく快適」!スコアは20022となんと約4倍!
スペックからすると、スコア自体は順当なところですが、電源アダプターを接続有無で、つまり電源プランが切り替わっただけでこれだけ違うんですね。
いざとなれば底面のカバーを取り外してアクセスも可能

New Inspiron 15 7000シリーズは、底面のカバーが普通のドライバーで取り外せるので、8MBタイプを購入した場合の16GBへの増設や、SSDの増設などが可能です。
ネット上でレビューしている人の中には、CPUのグリスを塗りなおしてベンチマークの結果を向上させたツワモノもいます。
もちろんこれは保証対象外になるため、ユーザーの自己責任で行うような話ですが、いざという時にそれを行えるのは、長く使いたい人にとってはメリットです。
(まぁでも、初心者はせめて保障期間をすぎてから、パソコンを廃棄する覚悟がなければやらないでください。)
このパソコンではありませんが、個人的にもHDDからSSDに換装して、長い期間使えている他社メーカーのノートパソコンがありますが、コストをできるだけ抑えて使うためにはありがたいです。
熱について

たまに見かける使い方として、省スペースのために外部キーボード&マウスをつなぎ、天板を閉じてディスプレイ横に立てかけて使うような使い方はおすすめできません。
理由は、排気口がディスプレイとキーボード部の本体との継ぎ目部分にあり、天板を閉じると排気口をふさいでしまう形状なので、この状態だと熱がこもるからです。
排気口は、できればサイド側にも欲しかったですね。
普段は軽めの画像加工、たまに高負荷処理という使い方がおすすめ

私が考えるこのパソコンの用途としては、事務処理はラクラクこなすので、スペックが高い分永く使えるだろうことを考えると、普通におすすめできます。
で、さらに画像加工など少し重めの作業がメインで、たまに動画エンコードなどの高負荷処理をするような使い方が、一番合っているように思います。
ネット上では、本体が高温になるような報告が散見されます。
ただ実際一日中業務に使ってみた時には、温度は気になりませんでした。
これは個人的な見解ですが、別にパソコンをメーカーからお借りしてレビューをしているからではなく、メーカーの想定と使い方のズレが問題なのではないかと思います。
New Inspiron 15 7501はCore i7-10750Hや16GBのメモリを積んでいるほどハイスペックで、しかもグラフィックボードを積んでいます。
元々New Inspiron シリーズは、ゲーミングパソコンではありませんが、こんなスペックを見れば、ユーザーからすると重たい作業をしたくなるのは当然です。
どうしても高負荷で試したくなるでしょう。
ですが、もしかすると高負荷の処理を長時間続けるような使い方は、想定されていないのかも知れません。
ゲーミングパソコンのように吸気・排気が充実してない印象ですし、想定しているならもう少し吸気・排気をつけるのではないかな?と思うのです。
そういうわけで、個人的には重い作業をずーっと継続するという使い方より、私のようにインターネットやビジネス系ソフト、軽めの画像処理をよく行うようなユーザーにおすすめしたいパソコンです。
さらにノートパソコンなので移動も楽ですし、15.6インチとは言うものの重量も2kgを下回っているので、いざとなれば持ち出せるのも魅力ですね。
安いパソコンを探しているあなたも、ワンランク上のパソコンを使うと業務の効率アップを図れるかもしれませんよ!
コメント